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小泉 光生; 長 明彦; 藤 暢輔; 木村 敦; 水本 元治; 大島 真澄; 井頭 政之*; 大崎 敏郎*; 原田 秀郎*; 古高 和禎*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 562(2), p.767 - 770, 2006/06
被引用回数:6 パーセンタイル:43.77(Instruments & Instrumentation)原子核科学研究グループにおいては、文部科学省公募型特会事業において、マイナーアクチニドの中性子捕獲断面積を測ることを目的として、4Geスペクトロメータを使った実験装置の準備を行っている。実験は、京大炉の電子LINAC施設で行う予定で、TOF中性子ビームラインの整備はほぼ完了している。4Geスペクトロメータの建設は進行中である。並行して、デジタル処理テクニックに基づく新しいデータ収集システムの開発を行った。以上この事業の現状について紹介する。
関口 哲弘; 馬場 祐治; 下山 巖; Wu, G.*; 北島 義典*
Surface Science, 593(1-3), p.310 - 317, 2005/11
被引用回数:2 パーセンタイル:11.64(Chemistry, Physical)回転型飛行時間質量分析装置(R-TOF-MS)を用いて、分子固体表面最上層で起こる結合解離と脱離過程における分子配向効果を研究した。凝縮塩化ベンゼンの質量スペクトル,電子収量法,イオン収量法による高分解能NEXAFSスペクトルの偏光角度依存性を報告する。凝集分子ではCl 2s*共鳴励起でClイオン収量が増加する現象に関して顕著な配向効果が観測された。下層による緩和に表面上の分子の結合方向が大きく影響を受けることから、この配向効果には電荷中性化緩和が重要な役割を果たしている。*共鳴励起では偏光依存性を全く示さなかった。このことから離れた原子を内殻励起しても「遠い」結合には直接解離が起こらず、おもに2次電子により解離が引き起こされるものと考察する。
池浦 広美*; 関口 哲弘; 馬場 祐治; 今村 元泰*; 松林 信行*; 島田 広道*
Surface Science, 593(1-3), p.303 - 309, 2005/11
被引用回数:5 パーセンタイル:26.1(Chemistry, Physical)われわれが近年開発した脱離イオン種をプローブとする(XAFS)分光法の基礎データ拡充のため、ホルムアミド分子の凝縮系試料の実験を行った。分子内のC, N, O元素におけるXAFS測定が可能でありC-H, N-H結合を区別して最表面の配向構造分析することが可能であることが示された。さまざまなX線励起エネルギー,生成物種,励起偏光角度について測定した飛行時間質量スペクトルから生成物が放出される際の初期運動エネルギーを求め、イオン脱離機構を調べた。運動エネルギーは発生メカニズム(直接解離/間接解離機構)を大きく反映すること、また多成分存在することが示された。
西谷 健夫; 長壁 正樹*; 篠原 孝司; 石川 正男
プラズマ・核融合学会誌, 80(10), p.860 - 869, 2004/10
DTまたはDD燃焼を行うプラズマにおける高速イオン挙動の研究手段として中性子計測は非常に有効である。これらの燃焼プラズマにおける中性子発生過程と中性子計測法を手短かに説する。さらに中性子計測を利用した高速イオン挙動の研究の例として、JT-60の中性粒子(NB)加熱プラズマにおける中性子発生量測定を用いた中性子発生過程解析,短パルスNB入射後の中性子発生量応答を利用した高速粒子閉じ込め研究,トリトン燃焼による3MeVトリトンの閉じ込め研究,アルフベン固有モード時の高速イオン吐き出し効果研究及び粒子ノックオン高エネルギーテイル測定による粒子密度測定について紹介する。
柴田 薫; 田村 格良; 曽山 和彦; 新井 正敏; Middendorf, H. D.*; 新村 信雄
Proceedings of ICANS-XVI, Volume 1, p.351 - 354, 2003/07
生体高分子,生体物質及び関連するソフトマターの動的構造を研究することを主たる目的として計画,設計されている生物用非弾性散乱装置DYANAの最適化デザインの検討結果について述べる。本装置は、日本原子力研究所東海研究所において建設が進められている大強度陽子加速器施設プロジェクトのなかの物質・生命科学実験施設パルス中性子源に設置することが提案されている。DYANA分光器は逆転配置型結晶解析分光器でカバーするエネルギー・運動量範囲はそれぞれ数eV数meV, 0.1数になる。これらの分光器の仕様により、蛋白質分子の運動を解析が可能になることが期待される。
柴田 薫; 田村 格良; 曽山 和彦; 新井 正敏; 新村 信雄
JAERI-Research 2002-036, 30 Pages, 2003/03
生体高分子,生体物質及び関連するソフトマターの動的構造を研究することを主たる目的として計画,設計されている生物用非弾性散乱装置DYANAの最適化デザインの検討結果について述べる。本装置は、日本原子力研究所東海研究所において建設が進められている大強度陽子加速器施設プロジェクトのなかの物質・生命科学実験施設パルス中性子源に設置することが提案されている。DYANA分光器は逆転配置型結晶解析分光器でカバーするエネルギー・運動量範囲はそれぞれ数eV 数meV, 0.1 数になる。これらの分光器の仕様により、蛋白質分子の運動を解析が可能になることが期待される。
堤 正博; 大石 哲也; 木内 伸幸; 坂本 隆一; 吉田 真
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(9), p.957 - 963, 2002/09
被引用回数:4 パーセンタイル:23.39(Nuclear Science & Technology)低レベルのRI・研究所廃棄物からの微弱な線を計測するために、2ジオメトリーにコンプトン抑制を配したアンチコンプトンスペクトロメーターを設計した。対象とする試料は重くて大きいために、計測システムは試料側に対して前面開放型となる。本報告では、コンプトン抑制及び自然放射性核種に起源するバックグラウンド成分の低減に関する本システムの特性や特徴について、モンテカルロシミュレーションにより評価した。その結果、アンチコンプトン手法は高エネルギー線によるバックグラウンドの抑制だけでなく、周囲のバックグラウンド自然放射線の低減に極めて有効な手段であることがわかった。
堤 正博; 大石 哲也; 木内 伸幸; 坂本 隆一; 吉田 真
Journal of Nuclear Science and Technology, 38(12), p.1109 - 1114, 2001/12
線検出システムの屋内バックグラウンドスペクトルを評価するために、コンクリート建家内の線放射線場についてモンテカルロ法による検討を行った。モデル化では、壁厚、部屋の形及び大きさを考慮し、屋内線源ジオメトリーについては、容易かつ効率的な計算ができるように球殻モデルを仮定した。このモデルをGe検出器が単独の場合とGe検出器をもっと複雑なシステムに組み込んだ場合とについてそれぞれ適用した。その結果、コンクリート厚を25cm、コンクリート中にU系列、Th系列、Kの自然3成分の均一分布を仮定することにより、屋内の放射線場をよく推定できることがわかった。ここで開発したモデルは、線検出システムやその遮蔽における設計や最適化に有用である。
廣木 成治; 長谷川 靖洋*; 金子 一彦*; 阿部 哲也; 村上 義夫
Journal of Nuclear Materials, 224, p.293 - 298, 1995/00
被引用回数:7 パーセンタイル:59.15(Materials Science, Multidisciplinary)黒鉛壁の表面清浄化のために行う、重水素とヘリウムの放電洗浄過程において、ヘリウムと重水素ガスの黒鉛壁への吸蔵量および壁からの放出量を高分解能四極子質量分析計で測定した。重水素とヘリウムの放電洗浄過程で多量の重水素が吸蔵、放出されるのに対し、ヘリウムはごく僅かしか放出されなかった。300Cベーキングの状態で重水素とヘリウムの放電を行ったところ、重水素放電中のヘリウムの放出量は、重水素の吸蔵量の約1/70であった。室温で重水素とヘリウムの放電にさらした黒鉛試料の昇温脱離スペクトルを高分解能四極子質量分析計で調べたところ、ヘリウムは150C前後に脱離のピークがあることがわかった。
久保 博孝; 逆井 章; 小出 芳彦; 杉江 達夫
Physical Review A, 46(12), p.7877 - 7881, 1992/12
被引用回数:10 パーセンタイル:54.27(Optics)TiXXIIのライマン線の微細構造成分(1sS/2-2p P/2)の強度比を、JT-60トカマクにおいて、結晶分光器を用いて測定した。理論的にはJT-60プラズマの密度領域では、この強度比はほぼ1:2に近い一定の値になると考えられている。しかし、本測定ではその値が変化することが観測された。本論文では、この観測結果を報告し、それが現状の理論では説明できないことを示す。
池添 康正; 松岡 伸吾*; 中村 洋根*
Chemical Physics Letters, 177(4-5), p.366 - 370, 1991/03
被引用回数:12 パーセンタイル:43.49(Chemistry, Physical)大気圧窒素中でのイオンの中和反応(1),(2)を、大気圧(1)N+e中和、(2)N+e中和、イオン化時間分解質量分析計を用いて観測した。反応(1),(2)の速度定数が、k=4.60.910、k=3.710cmsとそれぞれ求められた。これらの速度定数の圧力依存性をしらべ、1気圧~1.7気圧の範囲では、圧力とともに減少することを見出した。中和反応のメカニズムについて、実験結果をもとに議論した。
池添 康正; 曽我 猛; 鈴木 和弥; 大野 新一
JAERI-M 90-141, 55 Pages, 1990/09
クラスターイオンの光分解について、1)クラスターイオンの特性、2)レーザー光の特性、3)これまでに行われた研究例、4)予備実験装置を用いたアンモニアクラスターイオンの生成と分解、等を調べた。予備試験装置においては、クラスターイオンの生成は、コロナ放電-jet expansion法による。NH・nNHの形のクラスターイオンがえられる。クラスターの大きさをあらわすには、条件により0~10の範囲で変化する。クラスターの大きさの分布とクラスターイオンの温度の関係について議論した。
松岡 伸吾*; 池添 康正
J.Phys.Chem., 92(5), p.1126 - 1133, 1988/05
窒素-酸素-アルカン混合気体中で進行するイオン-分子反応を、大気圧イオン化時間分解型質量分析計を用いて調べた。反応条件は大気圧下、236-569Kである。Oイオンはアルカンと非解離型および解離型荷電移動反応をする。炭素数4以上のアルカンイオン(cnH)は高温で熱分解する。その他、NOOイオンNOイオンのアルカン類との反応速度定数など、24種のイオン-分子反応の速度定数を測定した。
廣木 成治; 池田 佳隆; 阿部 哲也; 村上 義夫
真空, 30(1), p.14 - 21, 1987/01
オージェ電子分光装置を用いて、モリブデン(Mo)、炭化チタン(TiC)、窒化チタン(TiN)、銅(Copper)等の2次電子放出率を、1次電子エネルギーが1.5keV以下の範囲で測定した。2次電子放出率は、材料の表面組成と密接な関係があり、各種表面処理(ベーキング、アルゴンイオンエッチング等)により大きく変化することがわかった。そして、大型核融合装置の真空容器内表面清浄化処理の効果を簡便に評価するため、2次電子放出率の変化を監視する方法を検討した。これらの結果に基づき、JT-60高周波加熱用導波管内壁の2次電子放出率の低減化対策を検討した。
東條 隆夫
JAERI-M 83-062, 48 Pages, 1983/04
タイム・ピックオフ技法の分解時間におよぼす効果および分解時間がバックグラウンド抑制係数におよぼす効果を、Ge-NaI(Tl)アンチコインシデンス・スペクトロメータに対して検討した。このスペクトロメータは、スロー・ロジック系を採用して極微弱放射能測定用に設計したものである。一連の測定の結果、(i)コンスタント・フラクション-リーディング・エッヂ・タイム・ピックオフを用いたとき、最短の分解時間0.8sで、自然線に起因するもののみならず二次宇宙線に起因するバックグラウンドをも抑制できる、(ii)661keVおよび1332keVにおけるバックグラウンド計数率はそれぞれ、7.510(1/s・keV)および2.310(1/s・keV)であり、(iii)40k秒の計測時間におけるCsに対するこのスペクトロメータの検出限界放射能は、1.5pCi30%である、などの事柄が明らかになった。これらのほか、バックグラウンドに対する二次宇宙線の寄与などの検討も行われた。
池添 博; 村上 哲也*; 冨田 芳明; 鹿園 直基
Nuclear Instruments and Methods, 196(1), p.215 - 218, 1982/00
タンデム加速器棟のターゲット室に設置された重イオンTOFスペクトロメーターの性能について報告する。飛行時間法(TOF)の精度をあげるために、位置検出可能なスタート検出器を開発した。その時間分解能は120psで、位置精度0.3mmであった。さらにその位置の非直線性は0.7%で十分満足できるものである。TOFスペクトロメーターの焦点での像を観測するために、2次元位置検出可能な位置検出器を製作し、その性能を調べた。その結果、位置の精度0.3mmで、位置のゆがみが十分小さく、像を観測出来た。この検出器を使って、スペクトロメーターの立体角の測定を行い、最大立体角9.5msrを得た。さらに、粒子検出器として、新しいタイプのガスカウンターであるブラッグカーブカウンターが開発され、その性能がテストされた。エネルギー測定精度1%、原子番号測定精度Z/Z=1/50であった。このスペクトロメーター質量分解能はA/A=1/80である。
寺田 博海; 阪井 英次; 片桐 政樹
Journal of Nuclear Science and Technology, 17(4), p.281 - 290, 1980/00
被引用回数:12 パーセンタイル:75.08(Nuclear Science & Technology)Ge(Li)検出器を用いてIn-situ測定したガンマ線スペクトルから線量率の値を直接求めるための変換関数(G(E)関数)を決定した。このG(E)関数法の有用性を検証するために、可搬型Ge(Li)検出器,NaI(Tl)検出器および電離箱の三つの異る検出器を用いて、同一地点における環境ガンマ線の線量率の同時測定を行なった。Ge(Li)検出器による環境ガンマ線スペクトルに対しては、G(E)関数法とHASL法とを適用して二つの線量率の値を求めた。これら四つの線量率の平均値は4.15R/hであり、バラツキは平均値の15%以内であった。ひとつの環境ガンマ線スペクトルに対してG(E)関数法およびHASL法の両方を適用することにより、土壌中の放射性核種の分布に関する情報がなくても線量率の値を直接求めること、また、土壌中の分布が既知である核種K,U,Th,Csなどに対しては個々の線量率寄与をも求めることが可能となった。
峰原 英介; 御手洗 志郎*
Journal of the Physical Society of Japan, 48(1), p.4 - 15, 1980/00
被引用回数:6 パーセンタイル:51.98(Physics, Multidisciplinary)Tc(p,n)反応を使ってTc核のエネルギー準位が調べられた。線の励起函数が10-100keV間隔で2.8から5.1MeVのエネルギー範囲でGe(Li)検出器を使って測定された。40個の準位と104個の線から成る崩壊図が第1番目の2,第2番目の4IARの強度比較,88個の線の閾値,分岐比,線角度分布,系統性から組み立てられた。9,13,15番目の準位のJ値は各々1/2,9/2,7/2に決定された。1837.5keV(7/2,9/2),1873.9keV(7/2,9/2),1888.8keV(5/2),2118.1keV(7/2,9/2)が新しい準位として決められた。対相関相互作用を取り入れた回転粒子結合模型計算がTc核について行われた。この計算は実験結果と合理的な一致を示した。
熊倉 稔; 伊藤 彰彦; 杉浦 俊男
質量分析, 22(1), p.61 - 70, 1974/01
エチレンオキシドのイオン-分子反応につき、飛行時間形質量分析計を改良し、イオントラップ法で研究した。改良したイオン源の構造につき説明し、メタンのイオン-分子反応につきこのイオン源によるイオン-トラップ法が十分イオン-分子反応の研究に使用しうることを確かめた。エチレンオキシドのイオン-分子反応で生成するプロトン化分子イオン(CHO)およびCHOの先駆体をRPD法で決定し、プロトン化分子イオンについてはCHOおよびCHOであることを確認し反応速度定数をそれぞれ1.4510および2.0510cm/molecule sec.と求めた。またCHOイオンの先駆体はCHイオンであることをたしかめその反応速度定数を2.1010cm/molecule sec.と求めた。さらにCDを含む若干の炭化水素とエチレンオキシドニ成分子における電荷移動およびプロトン移動反応についても報告した。
柴田 薫
no journal, ,
飛行時間焦点法逆転配置型結晶アナライザー分光器とは、板状試料, アナライザー結晶, 中性子検出器の間で、中性子の散乱後の飛行時間が一定に収束されている分光器のことである。この型の分光器の原形は東北大学原子核理学研究施設で考案されたもので、その後、この原形をもとにした分光器CATが高エネルギー物理学研究所に設置された。更に英国RAL研究所ISISパルス中性子施設において、分光器TFXAとして設置され、更に性能向上して分光器TOSCAとして現在、水素の非干渉性散乱を用いた分子分光装置として広い応用分野で利用されている。合衆国ORNL研究所SNSパルス中性子施設においても分光器VISIONとして設置されmicro gramの微量試料を用いてエネルギー分解能E/E 1.5%で水素の非干渉性散乱による分子振動スペクトルの測定を実現している。本発表では、飛行時間焦点法逆転配置型結晶アナライザー分光器の分光原理の発展を検討し、J-PARC MLFに設置する場合の最適な仕様について検討した結果について報告する。